戦い:3/6 | 和解:3/9 | 魔除け:5/10 | 弦の色の歌:和解 | |||
宝石 | Jan. ガーネット | Feb. 紫水晶 | Mar. | Apr. | May. エメラルド | Jun. 真珠 |
Jul. ルビー | Aug. 紅縞メノウ | Sep. サファイア | Oct. オパール | Nov. | Dec. | |
持ち物 | 金貨: ナイフ 倉の鍵 |
プロムナードを抜けると、そこは最初にあの侏儒に出会ったリモージュの市場だったであろう場所だった。あの時はあんなに活気に満ち溢れていたのに、今はすっかり砂に埋もれてしまっている。私はその変わり果てた姿に愕然とした。ふと見ると、側に荷車の残骸を見つけた。私はこれからどうしたらいいものか考えようと、荷車に座った。それと同時にさっと風が吹いてきて、琴の弦を震わせ、戦いの旋律が鳴り響き荷車を破壊してしまった。(戦いの旋律 -1)つまり、こんな所で止まっていないで、先に進めということを言いたいらしい。何だか損をした気分になりながら、私は町へと向かった。
しばらく歩くと三叉路へと出た。道は東、南、北へと伸びている。まずは東へと向かった。すると今度は十字路へと出た。そこを更に東へと向かう。すると、澄んだ水の流れる小さな小川に出た。小川の水を飲んでみると、おいしくて体に元気がわいてきた。陶器の壷が空っぽなのを思い出し、この水を汲んでおこうと壷を川に突っ込んだ。水はキラキラと美しく惑わされそうになったが、何とか水を汲むことができた。(水入手)私は川を後にした。
十字路まで戻り、今度は道を北に向かう。どんどん進むと、いつの間にか周りには霧が立ちこめ、地面が虹色に輝いている。ここはプロムナードとはまた違う空間のようだ。そのうち、前方に巨大な影が横たわっているのが見えた。それは巨大な紫色の蛇だった。蛇は無表情にこちらを見ている。この蛇の先へ進むことは今のところ不可能のようだ。動物と話す手段は持ちあわせていないが、とにかく蛇の方へ近づいてみる。すると蛇は「わしの体にある白いうろこの数は?」と人間の言葉でたずねてきた。もしかしたら言葉が通じるのかと思いあれこれ話してみるが、反応がない。私にはうろこの数はさっぱり分からないので、仕方なく道を引き返し、十字路へと戻った。
次は十字路を南へと向かう。こちらの方角には壊れてはいるが建物が集まっている。これならば人が住めないこともないかもしれない。そんなことを考えていると、私の後ろで音がした。振り返ると、白い姿が建物の間に逃げこむのが見えた。私はその姿を追いかける。白い姿は美容院の看板のある建物へ逃げ込んだ。いきなり入るのはためらわれたので、まずは外から声をかけてみるが、反応はない。仕方なく、建物の中へと入る。すると、突然一人の女が椅子の後ろから飛び出してきて、私にぶつかった。私も女もその場に転んでしまった。その時私たちの足元に琴が「ふたつ」転がった。一つはもちろん私のもので、もう一つは女のものらしい。彼女の琴は共鳴板に大きな穴が開いていた。私はあわてて彼女に駆け寄ったが、ぐったりしていて動かない。私はさっき小川で汲んできた水で、彼女の唇を湿らせてみた。(水消去)すると、彼女は息を吹き返した。
彼女の話によると、自分もかつては旅の楽師だったそうだ。そして、このリモージュのどこかにいる『輪廻の蛇』が次のプロムナードの案内人だと教えてくれた。その蛇とはさっき出会ったあの紫色の蛇に違いない。彼女は私に歌を聴かせて欲しいと頼んできた。私は彼女の琴を使って、歌うことにした。曲をひき出すと、口からは自然に言葉があふれた。
輪廻の蛇は神に祈った。
私に白い鱗を下さい。
〜中略〜
蛇の願いは聞き届けられ、
最初の蛇には一枚の、
次の蛇には三枚の、
三番目には六枚の、
四番目に十枚の、
そして次には十と五枚の、
白い鱗が生えてきた。
輪廻の蛇は喜んで、
虹色の道の番をする。
彼女の話では、輪廻の蛇は五十年に一度生まれ変わり、今いるのはその十番目だそうだ。最初の蛇は1枚の白い鱗、次が3枚、3代目が6枚、4代目が10枚ということは、代が一つ代わるごとに、その代数分の鱗が増えるということらしい。だから、5代目のへびの鱗の数は、「10(4代目の蛇の鱗の数)+5(代数)=15」ということになる。このように計算していくと、10代目の蛇の鱗の枚数は「55枚」だ。彼女は私に演奏のお礼を言うと、そのまま歩いていきどこかへ消えてしまった。わたしも、十字路へと戻った。