19:ヤガー婆さんを探して その2

体力ポイント

ティルト1:13/19

ティルト2:18

ティルト3:17

ティルト4:19

戦力ポイント

2 (クライン分+1)

経験ポイント

6

金貨

0 金塊(6相当)

武器と武器ポイント

剣1(1) 剣(3) (クライン分+1)(プルーグ分+4)

カレードウルフ(3)

所持品

食料:1 小瓶(聖水) 精力剤 蚊まんじゅう ニンニク 黄色水晶 

小瓶(ブランデー:4) 氷の玉 緋色の絹布 はしばみの鞭 干したナツメ 耳栓 青い卵

真鍮の板 オオカミの青い火 ユリの絵 バジリスクの鱗

魔法

火炎発生 解呪 縮小化 巨大化 透明化 霧発生 召喚 狼変身

備考

攻撃ポイント プルーグ分+1

狼に変身する場合に限って魔法の使用に伴う体力Pの消耗を1として計算


グリフィンが墜落した場所は、またまたあの釣瓶井戸のある空き地だった。そこから南に歩いてアンヌーン街道に出た後、街道を西へ西へと進んで、ノームの露店があるところまで来た。そこから細い道を北へと進む。

先ほどから、また雪と風邪が勢いを強めはじめている。さらに北へと進むと、とうとう吹雪いてきた。もともと今歩いてきた道は細かったうえ、雪でほとんど見通しが利かないため、すっかり道に迷ってしまったようだ。吹雪がおさまるまで待つという選択肢もあったが、ヤガー婆さんに会うための手がかりがまったくつかめなくてイライラしていたわたしは、半ばやけくそで吹雪の中を歩き続けることにした。

とうとう日も暮れてきたが、「オオカミの青い炎」のおかげで、凍える心配はだけはないようだ。視界の悪い中歩き続けるうち、突然足元の雪が崩れた。

わたしが落ちた場所は、ばかばかしく深い井戸の中だった。ずぶぬれにはなったが、井戸の水はきれいに澄んでいて暖かく、心地いい。どうもマーリンの加護があったようだ。深い井戸の底には、何かがきらきらと輝いているのが見える。井戸の内側にはツルツルしたタイルが貼られ、上へ登るにもとっかかりがない。プルーグが「助けてやろうか」と言っているが、まずは井戸の底に潜って、光るものの正体を確かめることにする。

潜って光の源に近づくほど、自分が潜っているのではなく、浮き上がりつつあるような気がしてくる。そうして、光の目の前に迫ったと思ったら、わたしの頭は本当に水面に出ていた。相変わらず深い井戸の中だが、さっきまでいた井戸とは少し様子が違う。井戸の外は青空だし、上から水面に釣瓶(つるべ)がぶら下がっている。念のため、もう一度井戸の底に潜ってみる。すると、さっき自分が落ちた深く暗い古井戸の水面に出た。どうも二つの井戸は繋がっているらしい。また、潜って青空の下の釣瓶のある井戸の水面に出た。今度は釣瓶の縄を伝って、井戸の外に出てみる。

そこは高原の小さな農場だった。農場の西に見える山はロンリー山のようだが、雪は少ししかないようだ。あたりもすっかり初夏の景色だ。南には農場の囲いの出口、北には赤い瓦屋根の建物が見える。農地の中の道を北へと進む。

すると、炭焼き窯の前にでた。窯の中からはがやがやと声がする。耳を澄まして聞いてみると、窯の中の炭が「困っちまったなあ、誰か窯のふたを開けてくれえ。このままじゃ灰になっちまう」と口々にわめいている。炭たちはわたしに怪我はさせないというので、窯の出口のレンガを崩して、窯の蓋を開けてやる。開けたとたん、真っ赤に焼けた炭が飛び出してきた。わたしは火の粉で火傷をしてしまった。(体力P:-5)恩知らずの炭たちは、例の赤い瓦屋根の家に向かって飛び去っていった。

道をさらに北に進むと、実をたわわにつけた西洋梨の木の前を通りかかった。梨の木は「困っちまったなあ、枝から梨の実を落としてくれよう。このままじゃ重くって枝が折れちまう。」と呼びかけてきた。いやな予感はするが、梨の木を揺すって、実をふり落としてやる。すると大きな西洋梨が雨のように降ってきて、いくつかはわたしの頭の上にも当たった。(体力P:-5)いやな予感は的中した。梨の実は赤い瓦屋根の家に向かって転がっていった。

道をさらに北に進むと、赤い瓦屋根の家の前に着いた。入り口のテラスには、白髪の婆さまが揺り椅子に座って編み物をしている。婆さまはわたしが近づくと、「台所に行ってオーブンから、西洋梨のパイを取り出しておくれ。ここらでお茶にしようじゃないか」と言った。悪い人ではなさそうなので、言われたとおり、パイを取りに家へ入る。

オーブンのパイを持って台所を出ると、婆さまはいつの間にか居間に戻っていた。わたしがテーブルにつくと、切り分けたパイのお皿と、紅茶のカップを渡してくれた。この世界では、出された食べ物はだいたい危ないのだけれど、この婆さまはなんだか大丈夫のような気がしたので、遠慮なくごちそうになることにする。

パイも紅茶もおいしくて、体中に力が満ちてくるような気がする。(体力P:初期値)食事を終えたところで、婆さまが「わたしがヤガー婆さんだよ。わたしになにか聞きたいことがあるのではないかな。炭や梨がお世話になったお礼に何でも教えてあげよう」といった。ようやくヤガー婆さんに会うことができた。早速、ユリの行方を求めている事情を話す。

すると婆さまは「魔法のユリはゴブリンのすむ地下迷宮の中にある。迷宮の入り口はフヴェルゲルミル河河口の中洲にある。入り口にはオイデ草が群生していて、侵入者が来ると騒ぎだす。バジリスクの鱗があれば、オイデ草を黙らせ、迷宮に入る方法を教えてやる。」と言った。バジリスクの鱗は持っているので、すぐに婆さまに渡す。

婆さまはバジリスクの鱗で金色の粉を作った。これを小袋に入れて、わたしに渡しながら「クナイホープに着いたら、これを草むらの風上でおまき。誰にも邪魔されずにゴブリンの迷宮に入ることができるよ」と言った。そして続けて、「すぐにでもクナイホープにいくつもりかね」と聞いてきた。もうこれで準備は整った。わたしはその問いに「はい」と答えた。

わたしの答えを聞いたヤガー婆さんは「そうかい。それならそうなっているだろうよ」と言った、。家から出てみると、そこはもうフヴェルゲルミル川の中州の上だった。振り返ってみると、婆さまの家は、影も形もなかった。

さあ、いよいよ迷宮へ突入だ。


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