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22：迷宮の探索　その2

またしばらく、通路を行ったり来たり、上ったり下りたりの探索が続く。すると、北側の壁に機の扉がある場所に出た。扉の向こうから助けを求める声がした。扉には鍵はかかっておらず、外から棒をわたして中から開けられないようにしてあるだけだ。棒を外して、扉を開けてみると、部屋にはあの絵師プップホルツがいた。兜を脱いでこちらの顔を見せてやると、「こんな目にあっているのもお前のせいだ！」と言って、刀を取りだして切りかかってきた。どうにも礼儀知らずなやつだ。少し痛い目に合わしてやろうと、こちらも武器を抜いて相手になってやることにする。

こんなへなちょこ絵師は敵でもない。あっさりと追いつめると「命だけは助けてくれよ。いいことを教えてやるから」と、泣き声をあげた。もともとちょっと懲らしめてやるだけのつもりだったので、命は助けてやることにする。ノームは「絵一枚に、目が一個。そうすりゃユリは自然に飛び出してくる。」と言って部屋から出て行った。何のことだかさっぱり分からない。部屋を出て、扉を開かないようにしていた棒を戻し、通路をまた歩き出した。(経験P：＋1)

しばらく行くと、今度は頑丈そうな鉄の扉の前に出た。鍵はかかっておらず、戸はわずかに開いている。その隙間からは、低いつぶやき声が漏れてきている。ここが最終目的の場所、メレアガントの部屋に違いない。そっと扉の中に忍び込む。

薄暗い部屋の中には頭に金の冠をのせた貧相なゴブリンがひとり、こちらに背を向けて立っている。テーブルの上の水晶の玉に気をとられていて、こちらにはまだ気づいていない。出入り口は、今入ってきた扉だけ、西側の壁には何かの絵の額がかかっているようだが、暗くて何の絵か分からない。しばらく、メレアガントの話を立ち聞きする。

水晶の玉から声がする。声の主は「ウェッジ」という名前で、どうもメレアガントをそそのかしてユリを盗ませた、今回の件の黒幕らしい。そして、ウェッジの計画の目的はネバーランドにある？？一方的にウェッジの方から通信をきられたメレアガントは呆然としていたが、ようやくこちらに気がついたようだ。細身の長剣を引き抜いて、こちらに向き直った。いよいよ最後の戦いだ。こちらもカレードウルフを抜いてみがまえた。

メレアガントはさすがに強敵だ。こちらにもダメージがどんどんきて、体力Pが７まで減った。しかし、相手にも着実にダメージを与えていき、ついにメレアガント追いつめた。

メレアガントに刃を突きつけ、ユリの場所を問いただす。すると「ユリはこの部屋の妖画のなかに封じこんである。テーブルの上の札のうち3枚を、ある配列で額の下のポケットに差しこめば、ユリは絵から抜け出てくる。まちがえればユリは永遠に戻らない。」と言った。もっと詳しく聞こうとしたとたん、テーブルの上の水晶玉からとびだした紫色の光がメレアガントの首を切り裂いた。水晶玉を叩き壊したが、メレアガントはすでに灰になってしまっていた。

差しこむ札のヒントになりそうなものは、これまでの冒険で入手した絵が4枚と、プップホルツの言葉「絵一枚に、目が一個」だ。絵の入手順に、1枚目〜2枚目とする。1枚目の絵は下の3つの枠の右端にだけ数字がある。残りの3枚は左から2つの枠に数字がある。ということは、右端の札は1枚目の絵の数字でいいと思う。残る3枚のうち4枚目は同じ数字が並んでいる。札は1から9までの1枚づつのようなので、4枚目の数字は除外していいと思う。となると、残るは2枚目の絵の数字の札か、3枚目の数字の札かということになる。しかし、どちらが正しいのか決め手が無い。プップホルツの言葉はいくら考えても全く分からない。もうカンで選ぶしかない。確率は2分の1だ。1枚目と2枚目の組み合わせの数字の札を選んで、絵のポケットに差しこむ。

すると、ユリは絵の中からふわりと抜け出して、わたしの腕の中におさまった！！どうやら、正しい選択をしたらしい。急いで迷宮を抜けて出口へと向かう。メレアガントが倒されたため、迷宮にはもう誰もいない。迷宮を出ると、ひとまずエルセル・ドゥームを目指すことにする。ユリの魔力が回復したのか、街道からはいつの間にか雪が消えていた。